なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 検察官のミス

千葉地検で00年度以降、法律の適用を誤り、法の規定を上回って求刑したり、罰金の求刑を忘れたりするミスが相次ぎ、検察官5人が厳重注意を受けていたことが分かった。検察事務官10人も、別人の過去の犯罪歴をもとに刑事処分手続きをしていたなどとして厳重注意などになっていた。いずれも国家公務員法にもとづく懲戒処分ではなく、未公表だった。裁判所も違法な求刑を受けて違法判決を出していた。
(中略)
最高検検事の土本武司帝京大教授(刑事法)は「法律の専門家集団である検察庁として、こうしたミスは許されない。原因を調べて事実を公表し、他の検察庁にも知らせて同種ミスの再発防止を徹底させるべきだ。判決を出した裁判官にも猛省してもらいたい。裁判所も厳しい処分をすべきだ」と話している。

 本体は笑えない話なんですが、最後の土本教授のコメントが笑えます。
 検察官のミスに気づかなかった裁判所はもちろん「?」って感じなんですが、もともとこうした事実を公表していなかった地検の態度はどうなんでしょ。土本教授はこうした点については、なかば不問に付し、「裁判官にも猛省してもらいたい」だの「裁判所も厳しい処分をすべきだ」というのは、問題のすり替えのような気がします。裁判所は検察官の監督官庁ではないですし。
 こういうときに、ヤメ検の意見を聞いても、どうせ元の身内をかばい立てするだけなので、余り意味がないような。