なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 新手の架空請求 少額訴訟など悪用 「無視」続けると敗訴に

 心当たりのない請求書が突然送られてくる「架空請求」が急増する中、「少額訴訟」など訴訟制度を悪用した新手の被害が出ていることが十六日、分かった。請求書を放置すると訴訟を起こされ、無視を続けると欠席裁判で敗訴してしまう。弁護士らは、架空請求対策の鉄則である「無視」を逆手に取った悪質な手口として、注意を呼びかけている。
(中略)
 一般に民事裁判では、欠席すると言い分が伝わらないまま、即日審理が終わり、敗訴してしまう。業者は判決を盾に「正当な請求」をしてくる。こうした被害は今年に入ってみられるようになったという。

 この問題は、ちょっと前からわれわれの間では問題になっていました。
 ヤミ金架空請求は、「放っておくに限る」というのがセオリーです。うっかり電話でもしてしまうと、身に覚えのある客、と判断されて、脅しなどの餌食になりかねないからです。
 訴訟など正式な裁判手続の場合は、裁判所が「特別送達」という方法で送ってきます。ここがポイントです。
 普通の架空請求は、はがきや封書、電報などできますから、そういう場合は、裁判所らしき名前が書いてあっても、無視するに限ります(気になるなら、電話帳で裁判所の番号を調べ、そこにかけてみてください。間違っても、その請求書に書いてある携帯などの番号にかけてはダメです)。
 逆に、特別送達でくるということは、まず裁判所からの正式書面です。上記のニュースにも書かれているとおり、欠席すると、相手方の言い分を認めているから出てこないのだ、とみなされ、判決を受け、さらには強制執行などをされるおそれもあります。気をつけましょう。