なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 中国に対するODA

 前に、読売新聞のコラムを紹介し、そのコラムで、「中国は日本から多額の経済援助を受けているにもかかわらず、日本のサッカーチームにブーイングを送っている」旨が書かれていると紹介しました。
 気になったので、ちょっと調べてみました。
 日本の中国に対する経済援助は、次のような中身になっています。

2001年度の中国に対する援助実績は1,755億円。うち、有償資金協力は1,614億円、無償資金協力は約63億円(以上、交換公文ベース)、技術協力は78億円(国際協力事業団(JICA)経費実績ベース)であった。2001年度までの援助実績は、有償資金協力は2兆8,293億円、無償資金協力は1,297億円(以上、交換公文ベース)、技術協力1,322億円(国際協力事業団(JICA)経費実績ベース)である。
出典 http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/jisseki/kuni/02_databook/eaj/top_eaj.html よりリンクをたどる

 実に巨額の援助です。
 思うに、中国へのODAをこのまま続けることは、つぎの3点から問題があるのではないでしょうか。
(1)中国が軍事大国であること 報道によれば、中国の軍事費の年間予算は5兆円にのぼるといわれています。核兵器はもちろん、ミサイルも日本よりはるかに高性能のものが開発されています。
(2)民主的でない部分が多いこと 少数民族に対する迫害が行われていることは周知の事実と考えられますし、もっといえば、中国にはわれわれが享受しているような通信の自由もなければ、言論の自由もないわけです。
(3)環境問題への取り組みが欠如していること この点はあまり指摘されることが少ないようですが、広大な国土を持つ国だけあって、大気汚染や廃棄物といった環境問題への取り組みは真剣になされていないようです。隣国としては看過できないレベルだと思います。
 こういった種々の問題を抱える国家に対し、わが国がこのままODAを続けることは明らかに行き過ぎのような気がします。中国は、あらゆる面において、わが国からの援助がなくとも、十分な活動ができるレベルに達しているのではないでしょうか。
 もちろん、前に書いたとおり、この問題とサッカーブーイング問題をリンクさせることは暴論だと思いますが、この問題については、もう少し、社会の正当な関心が向けられてもいいように思いました。