なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 スピード違反の公訴棄却 神戸地裁「誤測定の疑い」(共同通信)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040726-00000075-kyodo-soci

 川上宏裁判官は判決理由で「斜めに走行中は機械が速度を高めに検出する傾向がある。男性の車が車線変更時に測定された可能性は否定できず、速度違反は30キロ未満の疑いが残る。その場合は反則通告手続きを経る必要がある」と述べた。

 スピード違反の測定を争う事件は、小職も経験したことがありますが、たいへん(争う側にとって)難しいです。たいていの場合、測定したという警察官(オービスなどの場合にはそれを管理する警察官)や機械メーカーの社員などが出てきて、理論上、誤作動がほとんど考えられないこと、それまで正常に作動していたこと、その前後に不服を申し出ているものがいないこと(争っているのはオマエだけだということ)などを立証しようとします。
 そうなると、わずかな誤作動の確率にたまたま該当してしまったというだけでは説得力が非常に乏しいわけで、無罪を勝ち取るのは容易じゃないんですね。
 この種の裁判の事例が集積し、全国の弁護士などで閲覧できるようなシステムは、どこかで作れないものでしょうか。