なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 報償費文書開示を中断 約束違反と宮城県警(産経新聞)

http://www.sankei.co.jp/news/040422/sha119.htm

 宮城県警は22日午前、捜査協力者名が入った捜査報償費に関する文書を浅野史郎知事に開示した。しかし、知事が開示したことを公表したり、県職員が内容を書き写すなど事前の約束を破ったとして、午後になって開示を中断した。
 架空支出の疑いが指摘されている報償費に関する文書で捜査協力者名の知事への開示は初めてだったが、中断という異例の事態となった。

報償費の問題は、個人的には関心の高い分野ですが、一般の人の興味はあまりひかないようですね。
問題は、警察は都道府県の組織でありながら、これまでまともに県の監査委員や外部監査人の監査を受けたことがなく、不正な公金支出が相次いでいるのではないかという疑惑に対し、これまたまともに(「まとも」を多用しているのは、養老孟司さんの「まともな人」の影響かも)答えてこなかったという点にあると考えます。
そして今、全国の警察で、報償費の不正支出が明らかになっています。報償費とは、よくわからない用語ですが、要するに、「捜査などに関する情報提供者・協力者らに対する諸経費」と「犯罪の捜査などに従事する職員の活動のための諸経費」のことのようです。で、どうもこれが、本来の情報提供者に渡っているのではなく、仲間うちでの飲食などに使われている疑いがあり、宮城県では、県知事が、警察とバトルを繰り広げているのです。
そして今回のニュース(長い前ふり)。県警は、捜査協力者(要するに支出の相手方)の氏名が入った文書を公開したが、県知事サイドがこれを書き写すなどしたとして、知事への公開を停止した、というものです。
なんか、警察の言い分は子どものけんかみたいで、県のトップである県知事に対する対応とは思えません。警察は、ここまでして抵抗しなければならない理由がなんなのか、説明できるなら説明すべきです。知事も毅然とした対応をしてほしいですが。
横山秀夫の著作に出てくる警察のイメージとは、あまりに違いすぎるこの現実を、どうとらえればいいのでしょうか。
(これまでの宮城県警問題については下記リンク参照)
http://www.nishinippon.co.jp/news/wordbox/2003/report/0807.html