なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 日垣隆という作家・ジャーナリスト

皆さん、日垣隆さんをご存じですか。小職は、彼の小気味いい発言や、プロの書き手としての自覚のあり方などに好意を感じてきました。また、彼は、有料メルマガ(1年1万円弱)なるものを発行しており、小職もその定期購読者です。
ですが、昨今のこのブログブームを見ていると、有料メルマガの分量はそれほど多くなく、内容的にもコストにあわないような気がしてきました。
例の六本木ヒルズ回転ドア事件について、彼は、閉まりかけたドアに頭をつっこまないよう教育するのは親の責任だ、と論じ、リスクゼロ信仰から目覚めるべきである、と述べています。小職は、ここでも、昨日書いた、極東ブログさんの文章を読んだときと同じような違和感を感じます(まあ、極東ブログさんの場合には、話が突然、ドア文化論に飛んじゃっているので、日垣氏のほうがまだましですが)。
日垣氏のいうことは至極もっともで、だれも異論を唱える余地はないと思います。ですが、親の責任を論じようとするなら、やはり当日の状況、子供が頭をつっこむ前の状況について、具体的な記述が欲しいと思います。日垣氏は、ひごろから取材の大切さ、現場に足を運ぶことの重要さを繰り返し述べているのですから、ここでも、その卓抜した(褒めすぎか)取材力を発揮し、当時の状況に具体的に論及して欲しいと思います。それをせずに、親の責任があることを忘れるな、と声高に叫ぶのは、単なる感情論(と言って悪ければ感覚的議論)にしか過ぎないのではないかと思います。
有料メルマガで文章を書くからには、そのくらいのことをして欲しいもので、読者はそういった有料メルマガでしか読めない文章を期待しているのではないですかね。それに応える能力や取材力の差が、ブログにおける書き手とプロの書き手の違いなのではないでしょうか。