なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

古川佐賀県知事とNHK〜原発自治体が翻弄されている?

 古くて脆弱化が進んでいるといわれている玄海原発。地元の自治体の町長が原発運転再開を容認する発言をして驚いていたのですが、どうやら古川知事もそれを受け入れるというスタンスのようです。その理由が、「海江田大臣が約束してくれたから」というだけで、ほかに根拠らしいことを口にしないというのは、いかにも能天気といわざるを得ません。
 しかも、九州電力が、政府の説明番組向けにやらせメールを送るように画策していたことが露見しています。海江田さんは、このことについて「言語道断」と怒って見せましたが、どうせこうしたヤラセが行われていることは知っていたんでしょうに。過去のタウンミーティング等の政府の公聴会などでも、こうしたヤラセは蔓延してきたわけで、今回の九電の行動だって、政府には織り込み済みだったはずです。
 古川知事も、そうしたことは百も承知で、九州電力と一蓮托生の道を選んでいるように見えます。「安全といっているから安全だ」という論理が正しいとすれば、なぜ福島で事故は起こり、収束のめどさえ立たずにいるのでしょうか。結局、知事の発想は震災の前とあとで全く変わっていないのではないでしょうか。いったい、今回の震災で何を学んだのかと聞きたいくらいです。そういう人に、政府の方針が土壇場で変わったなどと批判をする資格はないように思います。
 NHKのニュースは、どうもこの古川知事に同情的で、揺れ動く政府の方針について「自治体が翻弄されている」とまでコメントしています。同情する前に、海江田知事の発言に盲従しようとする古川知事の姿勢を問いただすのが公共放送の役目じゃないかという気がしますがね。

 玄海原子力発電所佐賀県)の運転再開問題について、国が県民に説明する放送番組に、九州電力幹部が再開賛成の意見を電子メールで送るよう、自社や子会社の社員らに働きかけていたことが6日わかった。

 番組は定期検査で止まっている玄海2、3号機再開の是非を判断するために制作された。6日夜に記者会見した真部(まなべ)利(とし)応(お)社長は「国の説明の信頼を損なわせた。おわびしたい」と話し、再開は「夏までには難しくなった」と遅れることを認めた。

 九電によると、6月22日に本社の原発関連部署の課長級社員1人が会社名で、原発関連業務を担当する子会社4社の社員に運転再開の立場から意見を送るよう電子メールで指示した。4社の社員は計約2300人いるが、最終的に指示された人数はわからないという。

 ほかにも玄海原発川内原発(鹿児島県)など九電の3事業所にも、同様のメールで意見送信を呼びかけていた。

 番組は6月26日、佐賀県内のケーブルテレビで放送され、インターネットで配信された。国の担当者が一般から選ばれた県民7人に対し原発の安全性などを説明した。

http://www.asahi.com/national/update/0706/SEB201107060033.html