なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

ホリエモンの実刑にちょっとした違和感

 旧ライブドアをめぐる粉飾決算事件で、元社長・堀江貴文被告(38)の上告を棄却した最高裁第三小法廷(田原睦夫裁判長)の25日付の決定に対し、弁護人は28日、異議を申し立てた。

 申立書で弁護人は、(1)堀江元社長の職業が「不詳」と決定に書かれているが、不詳ではない(3)決定が「弁護人は事案を異にする判例を引用しており本件に適切でない」としたのは不当だ――などと訴えている。

 第三小法廷が異議を棄却すれば、懲役2年6カ月の実刑とした一、二審判決が確定し、堀江元社長は収監される見通し。

http://www.asahi.com/national/update/0428/TKY201104280404.html

 異議の理由の(2)が書かれていないのが気になります(^^;)。(1)はあまりにも無茶な異議理由なので、もっとましな理由が(2)に書かれていたんでしょうから、そこを紹介しないのはまずいかも。
 それはともかく、ぼくは個人的には、この事件で今更ホリエモン実刑にする必要はないと思います。
 すでに民事でそれなりの株を手放したりして多くの被害者と和解しているわけだし、もともとこれまでさして問題されてこなかった分野に検察が斬り込んでいったものだし、あえて長期の実刑にしなければならない事情があるとは思えません。執行猶予でよかったのではないでしょうか。
 とくに、ライブドア事件からかなりの時間が経過して、今の若い人は事件そのものを知らないかもしれない。ライブドアの業界もいろいろあったし、移り変わりの激しい中で、事件そのものもかなりの風化(とまではいえないかもしれないが)が進んでいます。ホリエモンの言動はいちいち目障りだし、その物腰は決して柔らかいとはいえないし、生理的に無理だという人も少なくないと思います。でも、そのことと、今、彼を実刑にしてどうするのかという軽い違和感は残ります。
 一部の人のように、これが「国策捜査」だとか検察不祥事の始まりだったとまでは言う気はありませんが、普通の刑事事件としても、もっと悪い奴が執行猶予になっているケースはたくさんあるのではないかと感じます。
 もちろん、異議が認められるはずはないので、ほどなく収監されるのでしょう。収監中も社会復帰後も、いろいろ話題になりそうな人なので、なま暖かく見守っていこうと思います。