なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

今日のお仕事日記

 殺人罪の時効撤廃について議論。さすがに、「時効なし」なんて、そりゃないだろうと思います。犯人が死んでるかもしれないのに、50年後も100年後も捜査するんですか。「100年前の事件の犯人が判明」なんてニュースは見たくありませんが。
 そもそも、時効をなくすんだったら、贈収賄(とくに収賄)とか政治資金規正法とか所得税法とかw、そんな法律の時効をなくすべきなんじゃないの? 国賊(いやな言葉だ)的な行為という意味では、よっぽどこちらのほうが罪が重いと思いますがね。もちろん、政治家が自分たちの首を絞めるような法律を作るとは思えず、選挙目当てに目立ったことがやりたいという気持ちが強いんじゃないかと思いますね。
 それにしても、時効撤廃の前に、まず冤罪防止でしょ。第2の菅家さんや布川事件を生み出さないという反省のもとで、そこをガチガチに固めておいて時効をなくすんならまだ話は分かります。取り調べの可視化とか、代用監獄の廃止とか、やることはいっぱいあります。冤罪防止のためのできうる限りの措置をとったなら、そこで初めて時効を撤廃して、粛々と捜査をなすべきです。そうでなければ、何十年も後になって、薄〜い証拠で被疑者を逮捕してしまい、また冤罪を生むことになりかねないです。
 まあ、小沢騒動や鳩山家の子供手当て騒動から国民の目をそらすには、殺人などもっとインパクトの強い凶悪事件の話にすり替えちゃうのがてっとり早いんですかね?