なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

いささか考えすぎなのでは?

 一連の小沢幹事長とその秘書の行動について、東京地検の特捜部が動いたり、不起訴宣言を出したり、バタバタやってました。そうした検察の動きを問題視する派と、逆に支持する派、法的責任よりも政治的責任を議論する派など、論者の意見も多種多様でなかなか面白いです。
 そんな中、民主党議員の中島政希さんの「今週の主張」が一部で注目されていました。中島さんは、検察庁には、「内閣が倒れてもかまわない」という政治的判断があったとして、次のように主張します。

 民主党が追求する政治主導の政策決定システムは、必然的に官僚機構の安定した階層秩序を破壊する。その行き着くところ、GHQによる戦後改革でも生き残った「検察権の独立」を侵害するに至るのではないか。そのことへの過度の警戒感が、小沢一郎氏の政治的個性と相俟って、彼らを司法合理性の罠に陥落せしめたのではないだろうか。
 国民的支持によって成立した政党内閣側の立場からいえば、これは検察勢力による飽くなき司法合理性の追求によって、民選政府の存立が危機に陥っている事態であり、看過できないという論理が成り立つのである。小沢氏のいう「民主主義の危機」とは、この意味だろう。

http://www.nakajima-masaki.com/monthly.html

 いくら何でも、それはないでしょう・・・。
 検察庁が小沢に目をつけたのは、小沢の周辺があまりにも金にまみれている(ようにみえる)からであり、それ以上のものではないと思いますよ。検察庁が、「検察権の独立」を守るために、今回の一連の行動に踏み切ったというのはいかにもありえない話です。小沢に対する捜査は、民主党が政権を取る前から行われていたわけであり、「政治主導の政策決定システム」とはなんの関係もないのではないかと思います。もちろん、中島さんは民主党の代議士だから、なんでも民主党の成果やスローガンと結びつけて考える癖がついちゃってるのでしょうが、いくら何でも、こうした論調は飛躍しすぎと言わざるを得ません。
 中島さんの経歴を見てみると、大学院卒業からずっと政治家の秘書をやってきた人のようです。どうやら政治的なメガネを通してしかものが見られないようになっているのではないかとちょっと心配になってきました。