なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

死刑囚の楽しみは食事

 名古屋拘置所に収容中の死刑囚(55)が、食中毒が原因で下痢や腹痛を起こしたとして国に慰謝料10万円の支払いを求めた訴訟で、名古屋地裁は23日、拘置所側の安全配慮義務違反を認め、5千円の支払いを命じた。近藤昌昭裁判官は「拘置所長の衛生管理に不十分な点があったことは否定できない」と述べた。

 判決によると、死刑囚は06年10月、下痢や腹痛を発症し投薬治療を受けた。食事はすべて拘置所の給食だった。収容者801人中92人が同じ症状を訴え、検査を受けた77人のうち7人の便から食中毒原因菌が検出されたが、死刑囚からは検出されていない。

 近藤裁判官は「給食は品質に問題があれば生命身体に深刻な損害を与える恐れがあり、相当高度の安全配慮義務が求められる」と指摘。一部で原因菌が検出されていることから「拘置所長らは高度な安全配慮義務を怠った過失があった」とした。

 名古屋拘置所は「判決文を見ていないのでコメントできない」としている。

http://www.asahi.com/national/update/1023/NGY200910230017.html

 日本の死刑囚は、いつ自分に死刑が執行されるかわからないまま、毎日を過ごしています。
 面会や文通も厳しく制限されています。
 せめて「その日」がやってくるまでは比較的自由に過ごさせてやればどうかとも思いますが、そんな死刑囚にとっては、食事の問題も数少ない楽しみの一つなのかもしれません。
 この判決、記事だけ読んでいるとかなり微妙なところがありますが、安全配慮義務違反を追及されたら国は弱いですね。