なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

今日の裁判例(その14)〜駅ビル内のレストランに借地借家法の適用があるか

△駅ビルのレストラン街の一区画をJRから借り受けて営業を行っているものについて、それ自体が建物としての独立性を有しないとして、借地借家法の適用を認めず、契約期間の満了によって契約が終了するものとされた事例。
 東京地裁平成20.6.30判例時報2020号86頁
(コメント)
 場所は立川ルミネ。古くからルミネ内で営業をしてきた店のようですが、どうも客からの苦情もあってJRと対立していたようです。JRは3000万円の立ち退き料を支払う旨を裁判で明らかにしたようで、結論的には、3000万円と引き替えに退去して明け渡すことが命じられています。
 駅ビルやデパートなどのテナントについては、借地借家法の適用を認めさせるのはなかなか難しいです。ただ、テナント側も普通の店と同じように、内装や備品に金をかけたり、長期間の営業を目的として契約するわけですから、大家の都合で簡単に契約解消が認められるような法律解釈をするのは相当でないといえるでしょう。
 この裁判例は、かなり細かい事情に踏み込んで判断しているので、今後、同種の事例を扱う場合の参考になると思われます。