Googleの先にあるものは・・・

グーグルが日本を破壊する (PHP新書 518)

　「グーグルが日本を破壊する」というちょっと過激なタイトルの新書。グーグルが日本のテレビ、CM、新聞、携帯電話などを次々と壊していく様が具体的な数字とともに語られています。いままで漠然と思っていたこと（グーグルができて新聞の売り上げが減っただろうなぁ、などという感想）が、実際にどれだけのものなのか、良くわかります。アッと驚くような中身は少ないものの、丁寧な論述は新書にぴったりです。
　むしろ、著者にもっと語って欲しかったのは、最後の2ページのところ。これまで権力がテレビや新聞に口を出し、介入してきたように、次にあるものは、権力によるインターネットの支配なのかもしれません。そのとき、グーグルはどう対応して、われわれは、グーグルをどのように利用していくべきなのか。著者は、その処方せんとして、「ネット上で利用者が善意を増やして、社会への前向きな貢献が進むことだ」と訴えます。その第1歩としての道のりをもっと語って欲しいと思いました。次の作品に期待。