なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 検察事務官の犯罪は不起訴&戒告で幕引きへ

 広島地検は18日、広島市内の路面電車内で乗客を殴ったとして暴行容疑で逮捕された広島高検の池信之事務官(37)=同市佐伯区=を起訴猶予処分とした。また、高検は同日付で戒告の懲戒処分とした、と発表した。
 地検などによると、池事務官は先月6日夜、広島市西区を運行中の広島電鉄車内で、乗客の男性会社員の顔を数回殴った。池事務官は当時、酒に酔っていたが、男性にもたれかかって押し戻されたのを殴られたと誤解し、暴行に及んだという。
 地検の山川景逸・次席検事は起訴猶予処分とした理由を、「酔った揚げ句の誤解に基づく、偶発的な犯行である。また、被害者から寛大な処分を求め嘆願書が出ており、本人も深く反省しているため」と説明している。
 また、広島高検の北村道夫・次席検事は「他人の非違をただすべき当庁職員が法に触れる行為を行ったことは極めて遺憾。職員に対し、綱紀の保持の徹底を指示、指導し、再発防止に努める」としている。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071219-00000047-san-l34

 罰金もなにも課さずに起訴猶予で済むというのは、検察事務官の特権としか考えられませんね。電車内という公共の場で、酒に酔った状態で、しかも相手には非がないのに誤解して数発殴りつけておいて不起訴とは・・。しかも、「酒に酔った挙げ句」、「誤解に基づく」というのが、加害者である検察事務官にとって有利な事情として語られていますよ。酒に酔っていれば、誤解であれば、軽く処分してくれるんですね。日ごろ、同種の刑事事件をイヤというほど扱っている体験からいえば、およそありえない展開ですよ。
 しかも、この池事務官は、戒告処分で済んでいて、どうやら今後も検察事務官をお続けになるらしい。もうため息しか出ませんが。
 検察官が大好きな「一般予防の見地(=他人に対する見せしめ効果)」からも、厳罰に処すべきだったのではないでしょうか。
 ちなみに池事務官が逮捕&すぐに釈放されたときの弊日記のコメントはこちら→甘いのは、米兵に対してだけではありませんでした - なるしす日記