なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 呼び方の問題ではなかろう

 民間の資金やノウハウを利用する「PFI方式」の刑務所として法務省が全国で設置を進めている「社会復帰促進センター」のネーミングに、就任直後の鳩山法相がかみついた。7日の記者会見で「ネーミングは絶対『刑務所』のほうがいい」と注文。懲らしめるという印象が薄いことに違和感があるようで、見直しを検討するという。

 同省は、4カ所にセンター設置を計画。刑期の短い「初犯者」らを集めてPFIで運営するのが特徴で、鉄格子ではなく強化ガラスを使うなどの設備が注目されている。

 第1号として4月に開所した山口県美祢市のセンターを5日に視察した法相は、環境の良さに「受刑者にも人権があるからいいが、行き過ぎるとね」と不満な様子。「実刑判決には懲らしめの意味がなければならない。悪いことをするとつらい思いをするという方が再犯防止に意味がある」と述べて、「刑務所」と呼ぶべきだと強調した。

http://www.asahi.com/national/update/0908/TKY200709080157.html

 安倍政権のお友達内閣からまた一人、よくわからない大臣が出てきたという印象です。
 この大臣の勘違いは、要するに、「悪いことをするとつらい思いをするという方が再犯防止に意味がある」というところ。江戸時代でも、役人はもう少しましな発想をしていましたが。
 少なくとも、100年間改正されずに施行されてきた旧監獄法の下でどれだけの人権侵害が続けられ、そして、それが再犯防止にまったく役立ってこなかったか、よく調べてから発言する方がいいよ。
 そんなに「刑務所」の名前がお好きなら、刑務所をつかさどる法務省の組織も、「矯正局」ではなく「刑務局」とか「懲役局」なんて名前にしてみたらどうですか。