秋好事件
- 作者: 島田荘司
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/06
- メディア: 文庫
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秋好事件は冤罪であるというのが著者の信念のようですが、なるほど、本書を読み進めていくうちに、検察側のストーリーとは矛盾するような多くの証拠が明らかになります。それと同時に、数奇な運命をたどった秋好英明氏の半生も、我々の胸に突き刺さります。
実のところ、秋好事件はこれまで地味な存在でした。袴田事件や名張事件は、日弁連の支援もあって、これまでその内容が比較的、世間に知られていました。ところが、秋好事件というのは、そうした支援がないためか、「知る人ぞ知る」というような扱いだったのは事実。
この本が文庫になったことをきっかけに、多くの読者の目に触れること、そして、氏の再審請求の門が開かれるときがくることを願ってやみません。
内容を詳しく書くとネタバレになって、読み手の興味をそぐ結果になりかねません。多くは語りませんので、ぜひ、手に取ってみてください。