なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

規制緩和で得をするのは、結局、オリックスなのか

 住宅金融公庫が「民業圧迫」との批判を受け、「住宅金融支援機構」に変わりました。
住宅ローン:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)
 それに伴い、業務の効率化を名目に、債権回収業務の一部が民間サービサー3社に委託されることになったのです。
 これは、いちおう、公募であって、機構では外部の有識者を含めた委員会を作って、委託先を検討したとされています。
 そして、その結果、3社が受託することになったのですが、その1社が「オリックス債権回収」に決まりました。
http://jyukou.go.jp/about/financial/tender/pdf/saiken.pdf
 上記のPDFファイルでは、応募した各社の採点結果も乗っているのですが、業者名が匿名になっていて、なぜオリックス債権回収が選ばれたのかよくわかりません。
 消費者問題に熱心に取り組んでいる弁護士にとっては、驚きを隠せない結果になったといえるのではないでしょうか。
 そもそも、こうした規制緩和は、オリックスの宮内さんが中心になって政府を動かしてきたといえます。その果実を、そのままオリックスが受け取るというのは、いかにもストレートすぎではないですか。住宅金融公庫といえば、自宅を建てる人にとっては必須の存在ともいえるもので、その業務量は膨大なものです。その事業を外部委託でちゃっかりいただいてしまうというのは、オリックス恐るべしというほかはありません。
 そのような批判に応えるためにも、住宅金融支援機構は、なぜオリックス債権回収に委託することにしたのか、その検討結果を詳しく説明するべきだと思います。↑のようなPDFを公開してお茶を濁そうというのでは、納得は得られないのではないでしょうか。