なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

それでもボクはやってない

 周防正行監督が11年ぶりにとったという映画を見に行きました。
 痴漢冤罪事件をテーマにしたドキュメンタリーチックな映画です。
 とにかく、細部にわたるまでリアル。丹念に取材がなされていることがよくわかりました。後半からはほとんどのシーンが法廷になりますが、そこでのやりとりなども、かなり本物の裁判に近いです。もちろん、裁判官の様子や思考回路なども。
 もちろん、σ(^^)は弁護士なので、この映画にかなり同調するところが大なのですが、裁判官や検察官がこれを見たとしても、きっと正面から反論はできないだろうと思います。きっと、自分のことが映画になっているのではないかと、ヒヤっとする裁判官・検察官も多いに違いありません。
 平気でウソをつく警察官、知らず知らずのうちに間違ったことを断言してしまう目撃者・・・・。問題は、それらを真剣に吟味する態度を失ってしまった裁判所にあるのです。
 現在の司法がこのような状況にあることを、痴漢冤罪事件だけではなく、それ以外の一般の事件でもこのような捜査・裁判が行われているということを、多くの人に見て知ってもらいたいものです。
 2時間20分という比較的長めの上映時間ですが、テンポがいいので、あっという間に終わった感じです。
映画「それでもボクはやってない」
 公式サイトには、ひとり300円の割引券がついています。事前に気づいておけば、ツマの分と合わせて600円もお得だったのに(^^;)。