なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 ステーキ、ケーキ…年13トン 受刑者処遇日本人と米兵で差

 【東京】日本国内で服役する在日米軍人・軍属受刑者が日本人受刑者に比べ、食事献立や入浴回数、暖房設備などで厚遇されている問題で、2005年度の1年間、米軍が米兵受刑者に提供していた補充食料は約13トンに上っていたことが16日、分かった。照屋寛徳衆院議員(社民)の質問主意書に対する政府答弁。
 同問題は02年にも国会内で追及され、政府は米軍側と格差是正の折衝を始めることを表明していたが、具体的な進展はない。刑事行政に詳しい学者からは「日本人受刑者に対する処遇そのものが問題」との指摘もある。
 米兵受刑者の収容先は、男性が横須賀刑務所、女性は栃木刑務所。横須賀刑務所ではステーキなどの肉類、ケーキ、3食ごとにコーヒーと牛乳を支給。補充食料は米軍が直接、現物を定期的に提供している。
 日本政府は1953年の「日米両国間の言語及び習慣の相違に適当な考慮を払う」という日米合意を踏まえた取り扱いと説明。しかし、ほかの外国人受刑者には食材の差し入れが認められず、熱量や栄養価で日本人と同等の食事が出されている。照屋氏は「受刑は更生して社会復帰させるのが目的で、国籍を問わず平等に処遇されなければならない。米兵がいつでも軍人復帰できるように厚遇されているのはおかしい」と批判。
 一方、矯正行政に詳しい弁護士の菊田幸一明治大教授は「横須賀刑務所には米兵だけでなく、中国人などほかの外国籍受刑者も多数おり、各国の慣習を尊重するよう配慮されている」と指摘。「日本の受刑者処遇が国連基準より下であることが問題。日本側の処遇改善が必要だ」と指摘している。
琉球新報) - 6月17日11時13分更新

 横須賀刑務所での米兵受刑者の待遇が日本人と異なって破格であることについては、2年前の日記でも書きました。
 その実態が、国会答弁で詳しく明らかになりました。
 3食ごとにコーヒーとか肉とかケーキとか、充実した食生活です。
 この新聞記事が指摘しているとおり、この扱いは米兵に限ったもので、民間人の受刑者には、こういった特典はありません。もちろん、宗教上の理由で豚が食べられない、などという場合には、それなりの配慮はしていますが。
 米兵が恵まれすぎているのも直ちに是正すべきだと思いますが、菊田教授がいうように、では、一般の受刑者の処遇が十分かといえばそんなこともないわけで。受刑者からは、食事の特に量に関しては、不満がよく聞かれます。主食が少ないなど。
 yahooのニュース検索では、このニュースを取り上げているのは琉球新報のみのようです。琉球新報が報じているのは、質問者が沖縄の議員だからなのでしょうが、全国紙の記者などにも関心を持ってもらいたいものです。