なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

身内の犯罪〜朝日新聞編

 先日、日テレのアナウンサーが検挙された際の報道について、日テレの対応を批判しました。
 では、朝日の社長の長男の事件はどうでしょうか。長男はマスコミ人ではなさそうなので、その辺を前提にみてみましょう。
 まず、親父が社長を務める朝日新聞

本社社長の長男に実刑 大麻事件で判決
2006年05月29日18時36分

 麻薬及び向精神薬取締法違反と大麻取締法違反の罪に問われた元フリーディレクター、秋山竜太被告(35)に対し、東京地裁は29日、懲役1年2カ月(求刑・懲役2年)の実刑判決を言い渡した。村瀬均裁判官は「仕事上の悩みから薬物に手を出した。規範意識が鈍っており刑事責任は重大」と述べた。

 同被告は朝日新聞の秋山耿太郎社長の長男。

 判決によると、同被告は今年3月8日ごろ、東京都渋谷区の地下鉄半蔵門線渋谷駅改札口そばで合成麻薬MDMAを飲んだ。同10日には同区内で大麻を所持した。

 秋山社長は「息子が判決を厳粛に受け止め、しっかり罪を償って、社会復帰するよう祈っています。世間をお騒がせしたことをおわびします」とのコメントを発表した。

 社長のコメントが載っているが、相変わらず人ごとのようなコメント。自社がこの件を隠し続けたことについても「世間をお騒がせしたことをおわびします」くらいのことは言ってほしいものです。
 これに対して、将棋の名人戦をめぐってバトル中の毎日新聞は、

麻薬取締法違反:朝日新聞社長の長男に実刑判決 東京地裁

 朝日新聞社の秋山耿太郎社長の長男で、麻薬取締法違反と大麻取締法違反に問われた元フリーテレビディレクター、秋山竜太被告(35)に対し、東京地裁は29日、懲役1年2月(求刑・懲役2年)の実刑判決を言い渡した。秋山被告は同種事件で有罪判決を受け執行猶予中に逮捕・起訴され、村瀬均裁判官は「規範意識が著しく鈍っており、刑事責任は重い」と指摘した。

 判決によると、秋山被告は3月8日、東京メトロ渋谷駅改札口付近で麻薬の錠剤を飲み、同10日には渋谷区の路上で大麻を所持した。【佐藤敬一】

 ▽秋山社長の話 息子が判決を厳粛に受け止め、しっかり罪を償って社会復帰するよう祈っています。世間をお騒がせしたことをおわびします。

 こんな感じ。おおむね、他社も同様。一番の違いは、長男が同種事件の執行猶予中にふたたび犯罪を犯したことに言及している点。この点は、きわめて重要な事実です。かりに、これが芸能人などであれば、朝日も大騒ぎしてかきたてるところでしょうに。意図的に伏せているとしか思えないこの態度には、つくづく感心しませんね。
 しかも、朝日の記事では、わざわざ、「仕事上の悩みから薬物に手を出した」などと裁判官の言を引用していますが、これも長男の犯罪に同情を集めようとしているみたいで気に入りません。
 そもそも社長が一向に辞めようとしないところが問題なのですけどね。