なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 横浜事件、「公訴権消滅」で免訴…横浜地裁

 第2次大戦中に雑誌編集者ら約60人が治安維持法違反で逮捕された言論弾圧事件「横浜事件」で、有罪判決を受けた元被告5人(全員死亡)の再審判決が9日、横浜地裁であった。松尾昭一裁判長は「治安維持法は廃止され、被告人らは大赦を受けた。公訴権が消滅している」として、検察側の主張通り、訴訟を打ち切る「免訴」を言い渡した。

 再審を申し立てていたのは、出版社「中央公論」社員だった木村亨さんの妻まきさん(56)(東京都西東京市)ら元被告5人の遺族。5人は1945年8〜9月、共産主義を宣伝したなどとして横浜地裁で懲役2年、執行猶予3年の判決を受け、確定した。

 横浜地検は、治安維持法が戦後、廃止されたことなどから有罪か無罪かの判断をしない「免訴」を言い渡すべきとしたが、弁護団は「再審公判は元被告の不名誉を晴らす手続きであり、免訴は妥当ではない」と反論。「起訴事実そのものがねつ造で判決の根拠となった自白も拷問によるものだ」などとして、5人への無罪判決に加え、判決で拷問の犯罪性を認定するよう求めていた。
(読売新聞) - 2月9日14時39分更新

仕方ないですかね<免訴判決。本来なら、積極的に無罪の認定をすべきだと思いますが、あまりに古すぎるし・・・。
それにしても、治安維持法が天下の悪法だったことはいうまでもありませんが、共謀罪の導入など、だんだん逆戻りしつつあるような気がしないでもない。