なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

女系天皇を歓迎する

 有識者会議が女系への皇位継承を容認する報告書を出しました。これについて、とくに万世一系男系天皇が即位してきたことを根拠に、報告書案に反対する見解が目立つようです。
 実は、ぼくも、高校生くらいまでは右翼少年だったこともあり、女系天皇には反対でした。2600年の伝統を、現在の男女平等などという価値観で変更することは、いかにも性急すぎると考えていたのでした。
 ですが、今では、女系天皇でもいいと思うようになりました。というのは、今の象徴天皇制のもとでは、天皇の役割は限定されたものであって、「世襲」と一応の血筋という要件さえ整っていれば、べつに男系とか女系にこだわる必要もないのではないかと思います。2600年の伝統といいますが、人類の1万年とかそれ以上の歴史にとってみれば、2600年なんて微々たるものです。そんな歴史を「伝統」とかいってありがたがる必要もないのではないかと思いますね。
 それに、男系を維持しようとしても、今の天皇家には男子がほとんどいないのです。側室制度でも復活させるとか、とっくの昔に皇族でなくなっている人を皇族に復活させて天皇にするしかないわけです。むしろ、そっちのほうが不自然だと思いますね。
 もともとこうなってしまったのは、なぜか天皇家に男子が生まれなかったという結果によるものです。それも自然のなせる技であって、自然に従って女子を天皇にして、その結果、女系天皇が誕生することになってもいいのではないでしょうか。
 日本人の大部分は天皇制を支持しているし、今の天皇を尊敬している人がほとんどではないかと思います。でもそれは、天皇が男性だからという理由ではなく、その生きざまや行動、人柄によるのではないかと思います。女性だろうと女系だろうと、立派な人であれば国民の支持を失うことはないと思いますし、天皇の血を引くものであることに変わりはないのです。
 というわけで、有識者会議の報告書の結論には、おおむね賛成しています。