なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 <首相靖国参拝>大阪高裁、初の違憲判断 「宗教的活動」(毎日新聞)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050930-00000032-mai-soci

 小泉純一郎首相の靖国神社参拝は憲法で定めた政教分離に違反し、精神的苦痛を受けたと主張し、旧日本軍の軍人・軍属として戦死した台湾先住民族の遺族や日本人の宗教関係者ら188人が首相と国、靖国神社に1人1万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪高裁(大谷正治裁判長)は30日、「憲法の禁止する宗教的活動にあたる」と高裁レベルで初の違憲判断を示した。賠償請求は認めず、原告側の控訴を棄却した。
(中略)
 判決は、小泉首相の参拝の性格について、首相が参拝を私的なものと明言せず、公的立場での参拝を否定していないと述べ、「首相の発言や参拝の動機が政治的なものであることなどを総合すると、総理大臣の職務としてなされたものと認めるのが相当」と判断した。
 さらに、首相がこれまで3度参拝し、国内外の強い批判にもかかわらず参拝を実行、継続しており参拝実施の意図は強固だったとし、「国は靖国神社と意識的に特別のかかわり合いを持った」と判断。「国が靖国神社を特別に支援し、他の宗教団体とは異なるとの印象を与え、特定の宗教に対する助長、促進になると認められる」と述べた。

 とうとう、高裁でも違憲判決が出ました。他方で請求は棄却するという判断のため、国側は控訴したくても(したいとは思わないかもしれませんが)できません。原告側は上告するのでしょうか。
 もちろん、首相の参拝の是非や評価については、様々な見方があります。政教分離を定めた憲法の規定の是非も含めて、100人いれば100とおりの意見があるくらい、議論は錯綜しています。
 こうなってくると、最高裁の判断を聞いてみたいものです。