なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

警察での接見活動

 刑事事件などをやっていると、警察署の留置場に捕まっている依頼人に会いに行くことがしばしばあります。警察署というのは、えてして交通の不便なところにあることが多く、まず警察署までたどり着くのが一苦労です。
 さらに、留置場にいるはずの依頼人が、そこにいないことがあります。犯罪現場で説明をするために署から出されていたり、検察官による取り調べがあるということで検察庁にまで出かけていたりします。また、運良く署内にいたとしても、「取り調べ中」とか「食事中」とかいろんな理由をで会えなかったりします。もちろん、署内にいる場合には、ちょっと待てば会えるのですが、たいてい、面会の場所(接見室といいます)が一つしかないために、そこが空く順番を待ったりすることもしばしば。
 つまりは、自分の依頼人と会って話をするだけでいくつもの障害があるのです。
 一番会える確率が高いのは、早朝と夜間。
 このたび、検察官も弁護士の仕事を体験しておいた方が良かろう、ということで、検察官が弁護士に(一時的に)転身して仕事をするという一つの研修制度がスタートしました。そこで検察官から弁護士になった人が、「警察で面会をすることがこんなに大変だとは思わなかった」と述べています。検察官は、警察を指揮命令する立場ですから、必要があれば被疑者を検察庁に呼べばいいし、呼べば警察が連れてきてくれるわけです。そのお気楽さに比べると、ハードルが高いことこのうえなし。
 いや、ほんとになんとかして欲しいものです。