なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

痴漢冤罪事件の実相

 id:Peek_Dogさんから鋭いコメントがついたんだな。真理をついています。もしかして経験者?(+_+;)\パコッ!
 警察は被害者の言いなりに動きがちで、被害者の供述を疑ってかかったり、その裏を取ったりすることはまずありません。指紋とか体毛とか、洋服の繊維とか、そういう科学的な裏づけをとろうなんて微塵も考えません。男性と女性の身長差を考慮して、男性の手が女性のいうとおりの動きをとれるか、とか、荷物をどっちの手でどのように持っていたかとか、混雑した車内を再現しての実験とか、そういうことを絶対にしませんからね・・。必然的に女性の言い分を盲信して、男性側の供述をそれに合わせちゃう。調書なんて捜査官の作文でしかありませんが、この種の事件ではまさしくその弊害が出てしまいますね。で、調書の中身が「わたしも興奮していたのではっきり覚えているわけではありませんが、被害者がそういうなら、きっとそれに間違いありません」なんて調書になるわけです。そうなったら、裁判で、「あれは捜査官の作文でした」なんて訴えても、裁判官はとりあってくれません。「だったらなぜ、調書の末尾に署名したのですか」なんて言われてアウトです。
 そもそもこうした問題は、勾留を許可する権限のある裁判官や、勾留の申請をする検察官などがよくチェックをして、警察の暴走を速やかに止めるべきなんです。身元がしっかりしていれば在宅で取り調べればいいと思うのですが、なぜか裁判官はそう考えないみたいですね。
 示談金が高騰しているのもご指摘のとおりで、この示談金目当てで犯人をでっち上げた疑いが濃厚な事例も報告されています。
 最終的に問題なのは裁判所の姿勢です。裁判官は単細胞ですから、「女性にはウソをついて犯人をでっち上げる動機はない。よって彼女が嘘をついているとは考えられない」、「よって、その女性の話と食い違っている男性の話は信用できない」という単純な構図でばっさり有罪にしてしまいます。上記のような物的証拠を検討しようという気持ちもありません。弁護人がいくら力説しても、それに正面から答えようとする裁判官は少ないのが現状です。
 挙げ句の果ては厳しすぎる量刑。強制わいせつ事犯(=直接触ったりした場合など)には初版でも否認すれば実刑がありえます。真犯人なら仕方がありませんが、冤罪でこうなったら目も当てられません。