なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

同期の裁判官と対決

 司法試験に合格すると「修習」という名の研修を受けます。僕らのときは2年間でした。研修ののち、弁護士・裁判官・検察官のいずれの道に進むかを決めます。
 一緒に修習した同期の仲間で、とても仲のよかった友達が、ちょっと離れた裁判所で裁判官をしています。たまたま、その裁判所に起こした事件の担当を、友達がすることになりました。
 友達なので、こちらに有利な判決を出してくれるか?
 そんなことは裁判官の職業倫理上ありえません。
 むしろ、今回の事件は、破たんした金融機関が名義貸しのような不適切な融資をしていたのではないか、といった複雑なもので、登場人物も、破たんした金融機関の元の代表者とかその元顧問弁護士とか、海千山千のものばかりです。ちょっと世間知らずのところがあるその友人に、果たして適切に判断してもらえるのかどうか、一抹の不安を抱えています。裁判官と弁護士というのは、一緒に呑む機会も少ないのですが、こうして事件の当事者となってしまったことで、また一緒に会う機会が減ってしまったような気もします。
 元気でやっているみたいなので、法廷で会えるだけでも、それが一番嬉しいのですが。