なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

受刑者と遺族、刑務所が接見許可 仙台・女性集団暴行死(朝日新聞)

 宮城県柴田町のアルバイト(氏名は引用に当たり削除しました)さん(当時20)が00年12月、仙台市内で男女8人から暴行を受けて死亡した事件で、仙台地裁は21日までに、主犯格の女性受刑者(25)を収容する刑務所が遺族と受刑者との接見を許可したことを、遺族側に伝えた。受刑者本人の同意が得られれば、来年2月2日に実現する見通し。
(中略)
 受刑者との接見は、原則として受刑者の親族に限定されている。地裁は「事件について聞くことは矯正の妨げになる恐れがある」としており、真相を聞き出すのは難しいと見られるが、父親の正美さん(49)によると、受刑者の現在の心境や賠償金の支払い方法について話し合うことになるという。 (12/21 11:17)

http://www.asahi.com/national/update/1221/015.html
 最近の関心事のひとつに、「刑務所における面会」というテーマがあるので、大多数のみなさんには縁のないお話でしょうけど、問題提起。
 注目してほしいのは、「受刑者との接見は、原則として受刑者の親族に限定されている」という部分です。これは監獄法という100年前にできた法律で決まっていることで、法律自体を変えてほしいところですが、それはしばらくおいておきます。
 例外的に、刑務所長が許可すれば面会できるのですが、次の「地裁は「事件について聞くことは矯正の妨げになる恐れがある」としており、真相を聞き出すのは難しいと見られる」との部分はよく分かりませんね。矯正の妨げになるかどうかを判断するのは刑務所のはずで、地裁には、面会させるかどうかを決める権限もなければ、このような説明をする権限もないですしね。刑務所がこのように説明してる、と地裁が言ったという記事でしょうか(あるいは記者の誤解か)。
 それはともかく、被害者が加害者にあうことや、事件について真相を聞くことがどうして「矯正の妨げになる恐れがある」のでしょうか。むしろ、そうやって話し合いをする過程で和解ができたり、許しをもらったり、あるいは精神的に落ち着いていくものではないでしょうか。つまり、矯正にとってプラスになることはあっても、マイナスになることはないのでは?
 加害者が被害者から罵倒されたりすることもあるかもしれないですが、それは自分のしたこと辛いすれば当然のことで、被害者の生の声を聞くことは有益だと思いますが。
 それに、昨日も少し書いたとおり、面会には必ず立会いが付くのですから、喧嘩になりそうになれば、刑務官が止めに入ればいいんですし。それに、面会といっても、アクリル板で仕切られており、直接、触れ合うこともできないのですから。