なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 関係の解消と慰謝料請求に新判例

 子供はもうけたが、互いに束縛しないよう法律上の結婚はせず、住まいも生計も別にして好きなときに行き来する――。こんな関係にあった男女の片方が一方的に別れを告げた場合、もう一方は慰謝料を請求できるかが争われた訴訟の上告審判決が18日あった。最高裁第一小法廷(横尾和子裁判長)は「婚姻やこれに準じるもの(内縁)と同じように法的に保護する必要は認められない」と指摘。一方の意思で関係が解消されたとしても当事者に法的義務は発生しない、との初判断を示した。

 最高裁の判断だけに重みが違いますね。
 どうでもいいことでしょうが、「判例」というのは最高裁の判断をいい、他の下級審の判決などについては「判例」とは呼べない、ということをどこかで(研修所?)で聞きました。なので、上記のような場合は「判例」でいいですが、高裁などで注目すべき判決がでても、「判例」とは書かないことにしています。では、そういうときはどう呼ぶかというと、「裁判例」というのだそうです。混乱してしまいますが、自分では、そういうふうに使い分けているつもりです。
 それはそうと、婚約や内縁にいたっていなくても、相手に正当な理由なく精神的苦痛を与えたのなら、損害賠償を認めてもよいと思いますが・・。子供まで作っておいて他の女に乗り換えることは「正当な理由」があるということなのでしょうか。少数意見はなかったのかな?
(追記)最高裁の公式サイトより
http://courtdomino2.courts.go.jp/judge.nsf/dc6df38c7aabdcb149256a6a00167303/619f58ae3984869449256f50001d928e?OpenDocument
 少数意見もなく、全員一致の裁判のようです。しかも、破棄差し戻しでもなく自判。こりゃすごい。