渡辺涼夢「冤罪」
- 作者: 渡辺涼夢
- 出版社/メーカー: たま出版
- 発売日: 2003/12/01
- メディア: 単行本
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アマゾンによれば、「ある良家の令嬢が、AV女優として殺された。容疑者は異常な性欲に駆られた監督や男優たち。彼女はなぜAV嬢に? 真犯人はだれなのか? AV業界を舞台に、ナゾ解きの醍醐味と人間の真実を追究した本格長編ミステリー。」ということです。
作者はフェアな書き方をしており、伏線もきちんと張られているので、読者も一緒に推理しながら読み進められます。そういう意味では、正統派のミステリーとして評価してよいかも。
ただし、文章は読みやすいとはいえないし、もっと作家らしくこなれた文章を書いてほしい。新人作家なので仕方ないとも思うけど。またストーリー展開でちょっと偶然にしてはありえないような安易なところがあるのが気になります。
そういう欠点はおいても、一気読みさせてくれる迫力には脱帽しました。タイトルに込められた作者のメッセージも、充分に伝わってきます。