なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 「誘拐殺人の前歴者が行方不明」警察情報で集団下校

 盛岡市内でかつて身代金目的の男児誘拐殺人事件を起こした元服役囚の男性が24日、入院先の病院からの外出中に姿を消したのを受けて、岩手県警盛岡東署が、実名を伏せるなどの配慮をした上で、前歴を含めた男性の情報を盛岡市教委に伝えていたことがわかった。

 情報提供を受けた市内の小中学校の一部は、授業を打ち切って児童生徒を集団下校させるなどの措置をとった。男性は25日午前、東京都内で保護された。父母らからは、「適切な処置」「当然だ」とする一方で、「子どもたちの不安をあおった面はなかったのか」との声も上がった。

 盛岡東署によると、24日正午過ぎ、盛岡市内の病院から「入院中の男性患者が外出先から帰らないので捜して欲しい」と捜索願が出された。病院は「男性は精神的に安定しており、自分や他人を傷つける恐れがない」として外出許可を出していたという。

 警察の行動を評価する弁護士もいるようですが、小職は、このような動きは疑問を感じます。精神的に安定しているにもかかわらず、警察が通報をするというのであれば、およそ誘拐殺人の前歴を持つものの所在情報は、警察が垂れ流しても構わないということになってしまわないでしょうか。誘拐殺人とういのは極めて重大な犯罪ですから、警察がナーバスになるのも理解できなくはないのですが、病院が外出許可を出している(おそらく精神科でしょう?)のに、ここまで騒ぎ立てる必要があるのでしょうか。精神障害者に対する差別や偏見というものも感じずにはおれません。