なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 「替え玉」女性で離婚成立か 本物の妻が再審請求 大阪(朝日新聞)

http://www.asahi.com/national/update/0621/006.html

 大阪家裁(栗原宏武所長)が今年6月、離婚調停を申し立てた男性の「妻」として出頭してきた女性を「替え玉」だと見抜けないまま、調停を成立させた疑いが強いことが20日、明らかになった。本当の妻は「知らないうちに離婚させられていた」として調停の取り消しを求めて同家裁に再審を請求。同家裁も事実関係の調査に乗り出した。

 現在の裁判所の本人確認の方法では、民事訴訟などでも「替え玉」を完全に防ぐことは難しい。裁判の信頼性にも疑念を招きかねず、波紋が広がりそうだ。

 防ぎ方は簡単で、どこでもやっているように、写真付きの身分証明書で確認すればいいと思います。実際に、このような確認をしている裁判所もあります。
 問題は、免許はない、とかパスポートもないとかいうケースです。
 妻と同居しながら離婚を画策するわるい夫だと、印鑑証明なども簡単にとってくるでしょうから、実印と印鑑証明という世の中で一般的な確認手段もとれないことになりますね。
 そういう場合は、(このケースでは)戸籍謄本が裁判所に出ているのですから、親の名前とか旧姓とか、子供の誕生日とかを聞き、替え玉を見抜くしかないですね。
 以前、弁護士事務所に相談に来た段階から替え玉だった(弁護士は、自分の依頼者をAという名前だと思い込んでいたが、実はBだった。だまされた弁護士はAの代理人ということで裁判を行ってしまった」という事件が報道されたこともありましたので、弁護士としても気をつけなければならないですね。