なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 精神鑑定

 例の佐世保の小学生に対し、精神鑑定の申請をすると付添人が明らかにしたそうです。
 その理由として、付添人は、

「女児が面会時に見せる冷静沈着な様子と、事件でやったことの異常さの間には非常に大きな心の起伏がある」

 という点をあげているそうですが(毎日新聞http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040610-00000005-maip-soci)、この程度のことは、どの犯罪者にも見られるのではないですか。幻聴や幻覚で意味不明なことを口走っているのでもないのに、通常人にとって理解可能か不可能かという基準で精神鑑定の必要性を判断するのなら、ほとんどすべての殺人事件には精神鑑定が必要ということになりはしませんか。われわれは、いくら腹が立ったとしても、そう簡単には殺人を犯すことはないのですから。
 性格が特異であるということと、精神病があるかどうかということは、質的に異なるものです。専門家の意見を聞くことが悪いことだとはいいませんが、どうも精神病のせいにして、幕引きをしたいという考えが見え隠れするようで、気になりますね。