なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

死刑制度

昨日、松本被告に(正確には被告人というのですが)死刑判決がありました。
小職は、少し前までは死刑廃止論者でした。国が殺人を刑罰を持って禁止しておいて、その一方で国が死刑を科すのは矛盾しているのではないかということや、冤罪・誤判の場合に取り返しがつかない事態となることなどが理由です。そして、理念的には、今でも死刑が廃止されるべきであろうと考えています。
ですが、松本被告や宅間被告のような事件をみると、死刑以外の選択肢というのは考えられないとも思います。絶対的終身刑を導入してみたとしても、彼らが3食を保証された監獄の中で天寿を全うするというのは、無念にも殺害されて未来を奪われた被害者や、その遺族からみれば、とても我慢ならないことだろうとも思うからです。
ですので、今、死刑に賛成するかどうかと聞かれても、どちらともいえないというのが正直なところです。
松本被告には、家族が依頼したのか、私選弁護人が選任されたそうです。あの横山弁護士が第1回公判前日に解任されたように、私選弁護人も土壇場で解任されて裁判長期化に一役買うことになるのではないでしょうか。控訴審が開かれるのは、早くとも1〜2年後になるはずで、そこで私選弁護人が解任されると、またそこから1〜2年が無駄に使われることになります。そのような事態にだけはならないで欲しいのですが。