なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

人権擁護大会in松山

日弁連の公式行事に人権擁護大会というものがある。毎年、人権問題に関するテーマを決めて議論し、一定の政策やら方針やらを決議し、アピールしていこうとするものだ。今年は、その大会が松山で開かれる。
今年のテーマのうち、もっとも重要なのは、犯罪被害者の刑事手続き参加についてだ。犯罪被害者の人権が、これまで軽く扱われすぎてきたのではないかというのは、弁護士間でも共通認識になっているといえる。だが、それ以上に、犯罪被害者を刑事事件の手続き上、どのように扱うべきかという問題は、意見の一致を見ていない。被害者を積極的に刑事手続きに参加させようとすれば、現在の、検察官対被告人(被疑者)という刑事手続きの枠組みを変容させる恐れがあるし、そうなれば、現在でも十分とはいいがたい被告人の権利が後退することになりはしないかという懸念があるからである。
したがって、この問題は、弁護士会がまとまって決議ができるほどに煮詰まっていないというのが現実であり、どのような結論が出されるのか、注目している。