なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

 被告人が無罪を主張して争っている事件の弁論(弁護人の最終意見陳述)があった。事案は複雑すぎてかけないが、単純にいえば、甲が乙のキャッシュカードを使って、銀行から預金を引き出したというもので、乙の承諾の有無が争点になっている。
 最近、裁判官が刑事事件で、弁護人の主張をまともに聞かない、という批判が、とくに冤罪・再審事件を扱っている弁護士からよく聞かれる。「逃げる裁判官」というのは、20年以上も前に書かれた名著であるが、まさに裁判官の逃げの姿勢が目立つというのだ。
 この裁判でも、やはり裁判官は逃げてしまうのだろうか。勇気を出して無罪判決を、いや、有罪でも弁護人が納得する判決を書いてほしいと思う。