なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

徳島刑務所事件から早くも1年

 昨年や一昨年の11月の日記を読み返していて気づきましたが、徳島刑務所の暴動事件から早くも1年が経ちました。この事件は、簡単にいえば、刑務所内の医務課長であった医師が、医療に名を借りて受刑者を辱めたり、あるいは必要な医療をしなったために、受刑者の不満が爆発して暴動になったというものです。
 その後、一部の受刑者はこの医務課長を告訴しましたが、検察庁の調べでは結局、正当な医療行為であったとして起訴せずじまい。こうして、この暴動事件はフェードアウトしていくのでした。
 しかし、もともと刑務所という法務省管轄の組織で行われた事件を、同じ法務省の仲間である検察庁が調べること自体が間違っているわけです。刑務所に医師不足が叫ばれるなか、医師の責任を認めるわけにはいかないという高度に政策的な判断もあったのでしょうし。
 受刑者の中には、この医師から受けた行為に抗議して自殺した方もありました。改めてご冥福をお祈りしたいと思います。