なるしすのブログ

地方の弁護士の日常を,あれこれと書くつもりのブログです。

読書メモや読書ノートに向かない本

 読書術というジャンルの本を読むと、本を読んだらメモやノートを作ることを推進しているものがとても多い。目次だけ見て2割を読んで8割を捨てろとか、拾い読みで十分とかいう論者も多い。

 さすがに小説などをそうやって読む人はいないと思うけど、よくできたノンフィクションもそうだと感じる。

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 例えば、いま読んでいるのは「ボクシングと大東亜」という本。もともとぼくは、ボクシングにほとんど興味はなく、ファイティング原田も名前しか知らないくらい。そんなぼくでも、こういった綿密な取材や参考文献の読み込みを経て書かれたノンフィクションには、思わず引き込まれる。大げさにいえば、全ての文章に意味があり、驚きがあり、自分にとっての新しい知識になる感覚がある。線を引こうものなら、全部の箇所に引かなければならず、ノートを作るなら、全文を写さなければならないような本。そして、引用されている膨大な参考文献にも目を通したくなる。

 げに読書というのは恐ろしいもので、仕事で忙しいときにうっかりよくできた本を手に取ると、自分で自分の首を絞めることになっちゃいますね。

 

ボクシングと大東亜 東洋選手権と戦後アジア外交

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